アニメ虹ヶ咲の感想文 11話

 「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のアニメ11話を視聴しました。前回の最終盤での歩夢ちゃんがあんな様子だったので気が気でなかったのですが、予想よりもはるかに重い内容なっていました。

 頻繁に歩夢ちゃんの表情が描かれ、侑ちゃんの行動に逐一反応しているのが印象的で、また今話の全てだったと思います。侑ちゃんと一緒にいる時間を増えそうになれば喜んだ表情に、侑ちゃんが他の誰かと一緒に過ごしていると沈んだ表情になるという、視聴者からすればわかりやすい反応を示していました。しかし、侑ちゃんはそれに気づく様子はなく、それがさらに視聴者をやきもきさせているのでしょう。

 特に歩夢ちゃんの心に影を落としていたのが、侑ちゃんがピアノの練習をしていたことを知らなかったということでしょう。これまでずっと一緒で、侑ちゃんのことを侑ちゃん以上に理解している歩夢ちゃんにとって、自分の知らない侑ちゃんがいることに強いショックを受けたに違いありません。しかも、それを誰も知らないのであればともかく、近頃一緒にいることが多くなったせつ菜ちゃんは知っていたということが、歩夢ちゃんの不安に拍車をかけていました。

 ピアノのことについて歩夢ちゃんに言及されたときに動揺せず、まっすぐに返答していたあたりから、後ろめたい理由でも中途半端な理由でもないと思います。スクスタでの流れや私自身の主観を含めて予想すると、同好会のメンバーのために自分の手で曲を作りたいから、だと考えています。
 夢を追いかけているスクールアイドルの姿を見て侑ちゃんの心には変化が起き始めており、ピアノの練習をし始めたことがその一端なのではないでしょうか。1話で侑ちゃんが言っていた「夢を追いかけている人を応援するできたら、自分も何かが始まる。そんな気がしたんだけどな。」というセリフ。「何かが始まる」と言っていた侑ちゃんの心の変化がピアノの練習という形で行動に現れていると考えると、3話から11話の間で侑ちゃんのピアノが上達しているのは、練習の成果だけでなく一つの決意を固めて行動しているからなのだと思います。

 話全体として見れば、侑ちゃんの行動に対して歩夢ちゃんがどんどん不安と不信感を強めていった回でしたが、スクールアイドルフェスティバルという目標に向かって邁進していく同好会のメンバーの姿や、先述した侑ちゃんの成長を感じられる場面が随所に見られました。とはいえ、今回のタイトル「あなたの夢 わたしの夢」の色が違っていたり、終盤で歩夢ちゃんが自分の想いを吐露していたりと、今話のメインとなるのは歩夢ちゃんの考えと侑ちゃんの考えのすれ違いにあるのは間違いないでしょう。個人的にはこういったすれ違いを見るのが一番心にくるので、正直今話で前話の内容は一区切りすると思っていただけに、傷が癒えるどころかさらに深い傷を負いました。

 次回予告を見る限りは流石に解決に向かってくれそうなので、これまで以上に次の土曜日を心待ちにしていようと思います。

 

 

 

蛇足
 アニメで登場した「かすみんボックス」。まぁ購買部で販売されるだろうと思っていましたが、想像以上にアニメの形状を再現したぬいぐるみとなっていてアニメでの傷を少しばかり和らげてくれました。やはり、かすみんは虹ヶ咲の清涼剤となってくれる存在ですね。