ラブライブ!スーパースター!!2期の感想文 誰かのための行動

 アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」2期の第9話を視聴しました。1期のころから残されていた可可ちゃんの課題に向き合う回でしたが、すみれちゃんはもちろん、ほかのキャラクターたちも誰かのために行動するという姿勢が見られた回でもありました。

 今話にて結果を出すために汚れ役となったすみれちゃん。彼女は2期の始まりから「ただ勝利を求めるだけでは意味がない」と考えていたり、夏美ちゃんが自分の利益のためにLiella!を利用しようとしていたことに腹を立てていたりしました。それゆえに、1年生を切り捨てる、自分がショービジネスの世界に返り咲くために活動している、などの言動は彼女にとってとてもつらいものだったはずですが、それでも可可ちゃんの事情を話さずに自分が嫌われる選択をしたのは、「みんなに迷惑をかけたくない」という可可ちゃんの想いを汲み取ったすみれちゃんの優しさによるものでしょう。

 そんなすみれちゃんに対し、かのんちゃんは作中で見せたことがないほどの怒りを見せ、1年生たちは自分たちの想いを歌にのせてすみれちゃんに想いを託しました。
 普段なら、相手の行動にはきっとなにか理由があるはずと言っているかのんちゃんが激情に駆られてすみれちゃんに手を出しそうになっていた場面では、それだけ彼女がLiella!のことや学校のことを強く想っていることが伝わってきましたし、地区予選突破という結果を出せたことに喜びと自信を感じていたであろう1年生たちが、(本心ではないとはいえ)自分たちを切り捨てるような発言をしたすみれちゃんに想いを託したのは、様々な葛藤はあれど先輩たちの足を引っ張ってはいけないという決断をした1年生たちの覚悟が感じられました。

 その後、神社での可可ちゃんとすみれちゃんとの涙のやり取りがあったのですが、可可ちゃんのかばんについていたストラップと『ノンフィクション!!』ですみれちゃんに贈られたティアラがすみれちゃんの心情を表すアイテムとして登場しています。
 すみれちゃんにとってストラップそのものに思い入れがあるわけではありません。しかし、妹からそのストラップをねだられた時には過剰なほどストラップを守っていました。きっと、上海に連れ戻されて可可ちゃんが離れていってしまうことと、ストラップが誰かの手にわたってしまうことを重ね合わせて過敏になってしまったのでしょう。
 ティアラは不安な自分の背中を押し、少し素直になるためのアイテムであると思っています。センターに立つことに不安を感じていたすみれちゃんの背中を押したのは可可ちゃんの作ったティアラであり、初めてすみれちゃんが可可ちゃんのことを「可可」と名前で呼んだのも『ノンフィクション!!』のステージの後でした。涙と共に溢れ出た「一緒に3年間スクールアイドルをしていたい」というすみれちゃんの本心を引き出したのも、可可ちゃんとすみれちゃんを結びつけるティアラの力があったからなのではないでしょうか。

 「みんなで喜びを分かち合うために勝つ」というLiella!の目標に「可可ちゃんと一緒にスクールアイドルを続けるためにも勝つ」という目的も重なったことで、これまで以上の結束力と勝利への執念が生まれたことでしょう。決意を新たにしたLiella!の9人がこれからの大会をどのように戦っていくのかとても楽しみです。