スーパースター!!2期の感想文 世界を夢見て

 アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」2期の第11話を視聴しました。無事に東京予選を突破したLiella!でしたが、ウィーンちゃんの背景やかのんちゃんの葛藤によって手放しに喜べる展開ではなかった、という印象でした。

 今話にて、かのんちゃんの夢が「歌で世界中の人々を笑顔にすること」であると明言されました。言われてみれば、1期11話や「What a Wonderful Dream!!」のMVなど「夢」がテーマとなっている場面では必ずかのんちゃんと世界地図がセットで描かれていました。「学校のみんなと喜びを分かち合う」ことがスクールアイドルとしての「夢」であるならば、「歌で世界中の人々を笑顔にすること」は元々かのんちゃんがもっていた「夢」なのでしょう。そのどちらもかのんちゃんにとっては大切な夢であり、今話のかのんちゃんは自らの夢に対して葛藤を抱いていました。

 そんな中で、かのんちゃんは留学を辞退するという選択をしました。きっと、こうして人前で歌えるようになったのはスクールアイドルを始めたからであり、スクールアイドルと出会ったからこそ生まれた素敵な繋がりを大切にしたいと思ったからなのでしょう。かのんちゃんが留学を辞退することを聞いたほかのメンバーの反応からも、結ヶ丘で生まれた繋がりは様々な人にとって素敵なものとなっていたのだと思います。
 しかし、千砂都ちゃんだけは周囲の反対を承知でかのんちゃんに留学してほしいと告げました。幼馴染である千砂都ちゃんはかのんちゃんの夢についても知っていたでしょうし、自分に夢を与えてくれたかのんちゃんが夢を掴むチャンスを棒に振ろうとしていることが耐えられなかったのだと思います。もちろん、かのんちゃんと離れることが辛いのは、最も付き合いの長い千砂都ちゃんが一番感じているに違いありません。その上で自分の寂しさを押し殺してかのんちゃんの夢の後押しをする姿勢をとっているのは、9話で本音をぶつけあった可可ちゃんとすみれちゃんとのやり取りとはまた異なる形での心の底から相手のことを大切に想っているからこそできることなのだと思います。

 物語はいよいよ最終話を迎えます。あと1話でLiella!が、かのんちゃんがどのような結末を迎えるのか期待と不安が入り混じった複雑な感情ではありますが、最後まで見届けていきたいと思います。