スーパースター!!2期の感想文 本当の歌

 アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」2期の第10話を視聴しました。東京予選に向けて合宿をする場面から東京予選でウィーンちゃんとぶつかるまでが描かれた回ですが、1期から歌に向き合い続けてきたかのんちゃんが「本当の歌」とはなんなのかを考えるシーンが印象的でした。

 1年生と2年生の関わりが描かれていた合宿の場面では、これまで2年生との実力の溝を感じ続けていた1年生たちが、2年生と共に作曲、作詞、衣装づくりといった曲作りを通して「自分たちもLiella!の一員なんだ」という実感を得られたのではないかと思います。前話から全員で大会へ挑むことの重要さを再認識した彼女たちだからこそ、9人で曲を作っていくことに意味を感じ、1年生が2年生に遠慮しすぎることなく関わっていけたのではないでしょうか。

 東京予選ではウィーンちゃんのパフォーマンスに圧倒され弱気になるメンバーに対して、笑顔で前に立ってメンバーを引っ張っていくかのんちゃんの姿は正しくLiella!のリーダーであり、結ヶ丘に入学したての頃の歌うことを恐れていたかのんちゃんはもういませんでした。5人で始まったLiella!で歌と向き合い、敗北を経験することで新たな目標が生まれ、9人となったLiella!で後輩たちの前を走りながら活動し続けてきたかのんちゃんの歴史を感じられるシーンだったと思います。

 実際のところ、私は「本当の歌」がどのようなものなのかは明確にわかりませんでした。しかし、ウィーンちゃんの歌に対する態度から「勝つこと」しか感じられなかったかのんちゃんが、次の日の練習予定を無くしてLiella!のみんなで遊ぶことにしたことでLiella!の歌が生まれたということは、かのんちゃんにとって「本当の歌」とは「楽しむこと」なのだと思いました。その上で、Liella!が歌った「Sing!Shine!Smile!」の歌詞の中には結ヶ丘女子高等学校を象徴するようなフレーズが多数盛り込まれており、彼女たちが学校のために活動している「スクールアイドル」なのだと感じさせられる歌だったといえるでしょう。

 何より今回の話で衝撃的だったのは、現実世界でLiella!が2ndライブのときに纏っていた衣装をアニメのLiella!が纏って東京予選に挑んだことでした。これまでのシリーズでも現実世界からの逆輸入はありましたが、ライブ衣装の逆輸入は初めてであり、その衣装が2期全体の山場ともいえるウィーンとの決戦で使われていたことにとても感慨深い気持ちになりました。しかも、2ndライブの時はまだ5人での活動だったので、アニメで9人があの衣装を着てパフォーマンスをしているというのが、見慣れた衣装であるのに新鮮な感覚を味わえました。