アニメ虹ヶ咲2期の感想文 楽しいの天才

 アニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の2期第4話を視聴しました。前回がQU4RTZ、今回がDiverDivaと2期の同好会はユニットを主体に展開していくようです。今回は特に愛ちゃんへスポットが当たった回であり、誰に対しても分け隔てなく接する彼女の原点とも言えるような存在の登場もありました。

 スクスタにおいても何度か登場している美里さん。スクスタでは最初から一貫して愛ちゃんのファンでいた彼女でしたが、アニメでは愛ちゃんがスクールアイドルを始めたことで自分から愛ちゃんが離れていってしまうのではないかという恐怖や不安から愛ちゃんを遠ざけるような態度を見せていました。その時に発せられた「『楽しい』がわからない」という言葉は、自分と相手の「楽しい」を共有して笑顔を作り出していく愛ちゃんの芯を揺るがす言葉だったと思います。
 そんな愛ちゃんに対して煽るような言葉で本心を引き出しステージへの復帰を促し、DiverDivaとしてユニットを組むに至らせたのが果林ちゃんです。励ましたり寄り添ったりで相手を元気づけるメンバーが多い同好会の中で、相手のことを想って厳しい態度をとることのできる果林ちゃんの存在は重要であり、相手を傷つけないようにするために自分を押し殺そうとしていた愛ちゃんに「まっすぐ相手とぶつかっていく大切さ」を態度で示しているようにも感じました。

 QU4RTZがスクールアイドル同好会の「仲間」としての面を強く出しているユニットだとするなら、DiverDivaは「ライバル」として面を強く出しているユニットであると思っています。互いに負けず嫌いな性格で、同じステージの上でも競い合うようなパフォーマンスをするDiverDivaは正しく「仲間だけどライバル」を体現しているユニットと言えるでしょう。アニメでのライブステージが格闘技のリングを思わせる造形だったのも、一対一の戦いを行い、観ている人々を熱狂させるという点で共通点があるからなのではとも思いました。

 さて、今回の話で愛ちゃんが大きく変わったのかと言えばそうではありません。相手の嫌がることは絶対にしないということを意識するあまり自分よりも他人を優先してしまうところがあった愛ちゃんが、自分の本心をぶつけることを知ったというただそれだけなのだと思います。逆に言えばこれまで愛ちゃんは相手のことを常に考え続けており、それを続けることを全く苦にしないどころかそういった大変なことすらも楽しんでいたのかもしれません。
 どんなときでも「楽しい」で自分ごと周りを包み込んでいた彼女は、今回初めてぶつかった壁をライバルと一緒だったからこそ壊すことができ、どんな困難に対しても誰かと一緒なら楽しく乗り越えていけることを見せつけました。うまくいかないことがあっても、最後には笑顔で楽しかったと言える彼女は本当に『楽しいの天才』なんだなと、改めてそう思いました。